シドニー・シティの7km東、車でわずか20分の距離にあるボンダイ・ビーチ(Bondi Beach)は、シドニーを代表するビーチタウン。美しい海はもちろん、グルメやウェルネス、ファッションまで、「ボンダイ風」とも言える独特のカルチャーも生み出しています。今回はオーストラリアだけでなく世界の観光客を魅了し続けるボンダイに、絶対に訪れるべき理由や魅力を厳選して10選ご紹介します。
1. 初代iMac「ボンダイブルー」色の海
従来のパソコンにはなかったポップで斬新なデザインで、世界中に大旋風を巻き起こしたアップル社の初代iMac。その中で最も印象的だった透き通ったカラーリングの「ボンダイブルー」は、ボンダイビーチ特有のブルーから命名されたのは有名な話です。
入り組んだ砂浜や岩礁によって絶妙に深さが違うため、絵の具をポタポタこぼしたような独特のグラデーションがとても美しいです。シドニーには他にも美しいビーチはたくさんありますが、やっぱりボンダイ特有のこの濃淡は別格。是非南端にあるNotts Ave Bondi Beach Outlookから見下ろして、この美しさを堪能しましょう!
外洋に面しているため一年を通して波は高めなので地元サーファーにも人気が高く、ライフ・セーバー発祥の地でもあります。抜群の透明度を誇るシドニーを代表するビーチで泳がないわけにはいきませんが、その際は安全な赤と黄色の旗の間(between the flags)で泳ぐことをお忘れなく。
2. フォトジェニックな「アイスバーグス・プール」で泳ぐ
「ビーチがあるのに敢えてプール?」と思われるかもしれませんが、ボンダイで「アイスバーグス・クラブ(Icebergs Club)」は外せません。オーストラリアで最も歴史あるプールで、会員制なのでメンテナンスもしっかりされ清潔です。シドニーのビーチには岩やコンクリートで囲まれたロックプールと呼ばれるものがたくさんありますが、ここでも潮の高さによって大量の波が流れ込むという「ロックプール感」が味わえます。
世界各国の旅行雑誌やSNSなどでも必ず紹介される、真っ青なボンダイの海にそびえ立つアイスバーグス(Icebergs / 氷山)のようなプールは、間違いなくシドニー有数のフォトジェニックなスポットです。会員制ですが観光客でもビジター(大人一人$9.00 / ¥850)として泳げるので、是非この唯一無二なプールで泳いでみましょう。
DATA ボンダイ・アイスバーグス・クラブ 所在地:1 Notts Ave, Bondi Beach NSW 2026 電話番号:+61-2-9130-4804 営業時間:月 - 金 6:00~19:00 / 土 - 日 6:30~19:00(木曜日はプール清掃のため休業) 公式ホームページ:ボンダイ・アイスバーグス・クラブ
3. 人気サーフスポットでサーフィンレッスン
ビーチタウンという場所柄、サーフボードを担いだ人やびしょ濡れのまま水着で歩く人、さらには裸足のまま歩いている人までいる、のどかで緩い空気が流れるボンダイ。複雑に入り組んだ海岸線をもつシドニーには数々のサーフスポットがありますが、大きな荒波の強者揃いのビーチとは違い、初級上級問わず様々なサーファーが訪れます。
メインストリートの「キャンベル・パレード」沿いにはボードがレンタルできるサーフショップが軒を連ね、今まで全くサーフィンをしたことのない超初心者でもサーフスクールが数多くあるので安心です。
「初めてサーフィンしたボンダイでは〜」なんてことをサラッと自慢できるのも、きっといい思い出になるはず。
サーフィンをはじめとする横乗り系スポーツが盛んなので、スケートボードも定番の人気スポーツです。ビーチの一角にあるスケートボードパークでは、シーズンごとに大規模な大会が行われています。
4. ビーチサイドでモーニングヨガ
サーフィンやスケートボードだけではありません。ボンダイにいる人達はランニングや筋トレなど、皆こぞって身体づくりに励んでいます。まだ薄暗い頃からビーチ一角にあるアウトドアジムに人が集まり、日が昇り明るくなるにつれて順番待ちの列ができるほど活気に溢れます。
「健康な身体は肉体と精神のバランスから」ということで、ヨガもボンダイとは切っても切れないアクティビティの一つ。アイスバーグスやヨガスタジオで開催されるサンライズヨガに参加したり、ビーチサイドにマットを敷いて波の音を聞きながら朝日を浴びてヨガ、なんてとても贅沢な一時です。せっかくボンダイにいるならいつもより早起きして、心身ともにウェルネスを意識し、1日をスタートしてみるのはいかがでしょうか?
5. 週末のマーケットでお土産ショッピング
シドニー各地で週末行われる、青空のもとでお買い物ができるマーケット。農家などの生産者が直接生鮮食品を販売するファーマーズ・マーケット(Farmers Market)から、アーティストやデザイナーが自分の作品を販売するもの、古着やヴィンテージに特化したものまで、その個性もさまざまです。
ボンダイではビーチの目の前にある小学校「ボンダイビーチ・パブリックスクール(Bondi Beach Public School)」で毎週土曜日と日曜日の2回、マーケットが行われています。比較的ローカル色の強いマーケットですがビーチからのアクセスも抜群なので、週末にボンダイを訪れた際はマーケットに足を運び、ローカルっぽい過ごし方をしてみるのはいかがでしょう?
ボンダイ・ファーマーズ・マーケット(毎週土曜日)
土曜日に行われるファーマーズマーケットには、シドニー近郊から生産者が集まり、フレッシュな野菜や果物、パンやスイーツ、オーガニックやサステイナブルな製品などを販売しています。規模は他のマーケットに比べるとこぢんまりとしていますが、その分ローカル感が漂うほのぼのとしたマーケットです。
旅行中に生鮮食品を購入することはないと思いますが、日本ではあまりお目にかかることのない珍しい食べ物は、見ているだけでもかなり楽しめるはず。フードを販売している露店も多いので、食べ歩きするのもおすすめです。バンド演奏が流れるのどかな雰囲気の中、お買い物を楽しみましょう。
DATA ボンダイ・ファーマーズ・マーケット 所在地:Bondi Beach Public School, Campbell Parade, Bondi Beach NSW 2026 電話番号:+61-402-280-633 営業時間:土 9:00~13:00 公式ホームページ:ボンダイ・ファーマーズ・マーケット
ボンダイ・マーケット(毎週日曜日)
土曜日とは一転、日曜日にはソープやキャンドルなどナチュラル系の商品やハンドメイド小物など、アート&クラフト系中心のマーケットが行われます。オーガニックコットンのウェアや蜜蝋を使ったビーズワックス・ラップなど、オーストラリアらしいエシカルでサステイナブルな商品はお土産にもおすすめですよ。
ビーチの写真を転写したヨガマットなど、場所柄のせいか、全体的に海を感じる爽やかでビーチらしいセレクションも多めです。人気ヴィーガンドーナッツ屋さんの「ナティ・ドーナッツ(Nutie Donuts)」や、センスの良いフレームで人気のメガネ屋さん「ベイリー・ネルソン(Bailey Nelson)」など、このマーケット出身のブランドもあるほど、実は「流行の発信地」でもあります。
DATA ボンダイ・マーケット 所在地:Bondi Beach Public School, Campbell Parade, Bondi Beach NSW 2026 電話番号:+61-402-280-633 営業時間:日 9:00~16:00 公式ホームページ:ボンダイ・マーケット
6. ビーチ沿いのストリートアート「グラフィティウォール」鑑賞
ボンダイのビーチサイドにある約1kmの遊歩道にある、ウォールアートの「ボンダイビーチ・グラフィティウォール(Bondi Beach Graffiti Wall)」。元々は1970年代に描かれた反戦のメッセージが始まりだと言われていますが、今ではオーストラリアだけでなく世界中のアーティストが自分の作品を展示する場にもなっています。
「反権力」などメッセージ性の高いものもありますが、基本的にはパキッとした青空と美しい海に映えるボンダイらしいポップな色使いの作品が多めです。半年ごとに塗り替えられてしまう、まさに一期一会のウォールアート。一つ一つ眺めながらお散歩するのもいいし、気に入った壁の前で是非記念撮影してみましょう。
7. 絶景コースタルウォークをお散歩
「シドニーの海をもっと堪能したい」「オーストラリアの大自然を感じたい」という方には、ボンダイからクージー(Coogee)というシドニー東海岸の人気主要ビーチを巡るウォーキングコース「ボンダイ・トゥ・クージー・コースタルウォーク(Bondi to Coogee Coastal Walk)」がおすすめです。
ボンダイ・トゥ・クージー・コースタルウォーク
「ボンダイ・トゥ・クージー・コースタルウォーク」は最北のボンダイビーチからタマラマ(Tamarama)、ブロンテ(Bronte)、クロベリー(Clovelly)、ゴードンズベイ(Gordons Bay)、クージー(Coogee)と計6箇所のビーチを南下する、断崖絶壁のウォーキングコースです。サーフィンビーチとしても人気のタマラマやブロンテなど個性豊かなビーチを通過します。
全長6kmあるので、余裕があればゴールのクージーを目指すのも良し、時間がなければお隣のタマラマでUターンするのも良し、時間と体力に合わせて、気持ちいい海風に吹かれながら歩いてみましょう。ダイナミックな波の飛沫を感じながら息を呑むような絶景を眺めていると、心がスッと洗われるような爽快感を感じることができます。
8. カフェ激戦区のボンダイでブランチ
グルテンフリーやヴィーガン、オーガニックなどのナチュラル系フードカルチャーの発信地でもあるボンダイは、個性的でオシャレなカフェの激戦区。「ボンダイのカフェでブランチ」と言うと、シドニーを知っている人には「何て素敵な朝の過ごし方なの!」ときっと羨ましがられます。そんなカフェ激戦区の選りすぐりのお店で、海を感じながら美味しいコーヒーとフードを楽しみましょう。
ハリーズ・ボンダイ(Harry’s Bondi)
オーガニック食材を使ったヘルシーなメニューに定評がある「ハリーズ・ボンダイ(Harry’s Bondi)」。「地元産」「ナチュラル」「オーガニック」にこだわったヘルシー料理は、健康志向の高い地元ファンを魅了し続けています。
バラエティ豊かなメニューには、GF(グルテンフリー)、 VG(ヴィーガン)などの記載もあって意識高め。ヴィーガン専門店ではないので、ビーフバーガーやグリルドチキンなどボリュームタップリのメニューもあるのでご安心を。色鮮やかな野菜やフルーツを使った料理は、味はもちろん目にも美味しいです。
DATA ハリーズ・ボンダイ 所在地:2/136 Wairoa Ave, Bondi Beach NSW 2026, Australia 電話番号:+61-2-9130-2180 営業時間:月 - 金 6:30〜15:30 / 土 - 日 6:30〜16:00 公式サイト:ハリーズ・ボンダイ
ザ・デポ・ボンダイ(Depot Bondi)
ハリーズ・ボンダイの目の前にある「ザ・デポ・ボンダイ(The Depot Bondi)」は、人気シェフ&サーファー&YouTuberのガイ・ターランド(Guy Turland)氏がディレクションしているカフェ。ノース・ボンダイの坂の上にあった小さなお店が、今ではメインストリート近くのこの場所に、規模を拡大して新たにオープンしました。
彼の料理は自家農園などローカルで採れたフレッシュな旬の食材を使用し、素材の味を生かした豪快かつシンプルなもの。どの料理も味もちろん見た目も美しく、お腹も心も満たされます。カラフルに彩られた美味しそうなお料理は、Youtubeやインスタグラム、料理番組「海辺のGuy’s キッチン in ボンダイビーチ(wowow)」でもチェックできますよ。
DATA ザ・デポ・ボンダイ 所在地:132 Warners Ave, Bondi Beach NSW 2026, Australia 電話番号: 営業時間:月 - 日 6:00〜15:00 公式サイト:ザ・デポ・ボンダイ
スピードス・カフェ(Speedos Cafe)
「ボンダイのインスタ映えカフェ」と検索したら、必ずヒットするのが「スピードス・カフェ(Speedo’s Cafe)」。水着メーカー「Speedo(スピード)」がオーガナイズするカフェは、窓からボンダイビーチを一望できます。他のどのカフェよりも海に一番近いので、海から出たばかりのびしょ濡れのサーファーが、早朝からコーヒーを求める列を作っています。
このカフェでオーダーしたいのが「インスタ映えフード」として評判の彩り豊かな食べ物。ヘルシーな料理も充実していて、見た目だけでなく味のレベルもかなり高め。インスタにちなんでメニューには「#(ハッシュタグ)」で「#yum(美味しい)」「#instaporn(インスタ映え)」「#yasss(最高!)」など思わずクスッと笑ってしまうキャプションが。ハッシュタグでオーダーするメニューを決めてみるのはいかがでしょうか?
DATA スピードス・カフェ 所在地:126 Ramsgate Ave, North Bondi NSW 2026, Australia 電話番号:+61-2-9365-3622 営業時間:月 - 日 6:00〜15:00 公式サイト:スピードス・カフェ
9. ボンダイビーチを存分に味わえるイベントに参加
ボンダイビーチはイベントも盛んです。旅行の予定に合えばぜひ参加してみてください!
シティから海までのマラソン大会「シティ・トゥ・サーフ」(8月)
真冬の8月初旬に行われる「シティ・トゥ・サーフ(City 2 Surf)」は、シドニー・シティのど真ん中にある「ハイドパーク」からボンダイビーチまで、まさにシティ(街)からの海(サーフ)まで14kmのコースを走る市民マラソン大会。毎年8万人近く参加するシドニーの冬の一大イベントです。
「マラソンなんてつらそう」なんて思う方、全然大丈夫です!タイムを競い合う本気ランナーもいますが、ベビーカーを引きながら、仮装して踊りながら、カメラ片手に歩きながら、とカジュアルに参加している人がほとんどです。シドニーの観光スポットや絶景スポットを余すところなく楽しめるのが、このシティ2サーフの醍醐味。マラソンに興味がない方やシドニーが初めての人にこそ是非参加して欲しい、おすすめのイベントです。
DATA シティ・トゥ・サーフ
彫刻が海沿いに並ぶ「スカルプチャーバイザシー」(10〜11月)
断崖絶壁の海辺の遊歩道「ボンダイ・トゥ・クージー・コースタルウォーク」沿いに、世界各国の彫刻家による作品が展示される彫刻イベント「スカルプチャー・バイ・ザ・シー(Sculpture by the Sea)」。ボンダイビーチからお隣にあるタマラマビーチまでの約2kmの間、壮大な海をバックに100を超える作品がズラリと並びます。
彫刻やアートに詳しくなくても、個性的な作品を眺めながら、絶景のコースタルウォークをぷらぷらお散歩するだけでもかなり楽しめます。ダイナミックな海と彫刻のコントラストがとにかく美しいので、波や潮風を感じながらアート鑑賞を味わってみましょう。
DATA スカルプチャー・バイ・ザ・シー
大空に凧が舞う「フェスティバル・オブ・ウィンズ」(9月)
「フェスティバル・オブ・ザ・ウィンズ(Festival of the Winds)」は毎年9月に行われる1日限りの凧揚げの祭典です。世界中から凧揚げの強者たちがビーチに集まり、ボンダイの大空に個性的で色鮮やかな凧が縦横無尽に舞います。
さまざまな形状のカラフルな凧が、ボンダイの真っ青な空に埋め尽くされる様子は見事です。ビーチでは凧揚げのデモンストレーションが行われたり、中央にあるボンダイパビリオンでは凧作りのワークショップやギャラリー展示なども開催されていますが、ただビーチに座ってのんびり空を眺めているだけでも楽しめるイベントです。
DATA フェスティバル・オブ・ザ・ウィンズ
ビーチサイドでスケートと観覧車「ボンダイ・フェスティバル」(7月)
真冬の7月、ビーチが閑散とするオフシーズンに開催されるのが、「ボンダイ・フェスティバル(Bondi Festival)」です。「ウィンター・マジック(Winter Magic)」と「ボンダイ・フィースト(Bondi Feast)」という2つのイベントが、新たに一つに統合されよりパワーアップしました。
ビーチサイドには大きな観覧車やアイススケートリンクが設置され、特設劇場では演劇やコメディ、マジックショーが開催されるなど3週間に渡ってお祭りが開催されます。ビーチを眺めながらのアイススケートというシュールさと、片方にビーチ、もう片方にはシティという絶景を地上22mから楽しめる観覧車もおすすめです。
DATA ボンダイ・フェスティバル
10. サンセットを眺めながらディナー
朝型、夜型で言うなら、間違いなくボンダイは朝型の街。早朝から人々はビーチ周辺に集まり、日が沈むと同時に家路に急ぐ、というような超健康的な生活を地で行っています。そのせいかボンダイの夜は早く、パブやバーもありますが深夜まで営業しているお店はほとんどありません。筆者もボンダイでディナーする際、スタートが遅いあまり21:00で全てのお店で「ラストオーダー終了」というディナー難民になりました。
「ノースボンダイ・フィッシュ」でサンセット
深夜のナイトライフは充実していないボンダイでは、早めのディナーでドラマティックなサンセット「マジックアワー(ゴールデンアワー)」を楽しみましょう。ビーチ自体は南東に向いているので残念ながら海に沈む夕日は拝めませんが、西にあるシティ方面に沈む夕日に合わせて、空全体が幻想的な黄金色に輝きます。
そんなゴールデンアワーにおすすめなのが、ビーチサイドにあるレストラン&バー「ノースボンダイ・フィッシュ(North Bondi Fish)」です。場所はビーチの北端ノース・ボンダイのビーチの目の前。ガラス張りの店内からの眺めも最高ですが、このお店に訪れたら何は無くともテラス席を確保しましょう。圧倒的な開放感と美味しいフード&カクテルで、ゴールデンアワーをつまみに乾杯なんて最高です。
DATA ノースボンダイ・フィッシュ 所在地:120 Ramsgate Ave, North Bondi NSW 2026, Australia 電話番号:+61-2-9130-2155 営業時間:水 - 日 12:00〜0:00 公式サイト:ノースボンダイ・フィッシュ
朝から夜までたっぷりボンダイで楽しもう!
ボンダイと言えばオーストラリアでビーチタウンの代名詞ですが、ビーチ以外にも楽しめるアクティビティやグルメが盛りだくさんの街です。シドニーに訪れたら「ボンダイ」は外せないスポットですので、早朝から夜(深夜ではありませんが)まで是非たっぷり1日使って、ボンダイカルチャーを満喫してみましょう。
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